
丸藤葡萄酒工業株式会社コンバージョンプロポーザル
M社 / 2015
丸藤葡萄酒工業は、1890年に創業し、日本におけるワイナリーの先駆者として勝沼においても同志を先導してきました。4代目社長の大村春夫氏がワインの品質と人との繋がりを重視する中、130年の歴史を持つこのワイナリーで新たな挑戦が始まりました。勝沼の丘陵台地に建つ歴史的建造物やコンクリートタンク、設備をコンバージョンし、さらなる良質な葡萄栽培と醸造技術の向上を追求、より魅力的なワインをお客様に提供する。ひいては「自分の生き様をワインに移す」。そのような貴重な機会に立ち会わせていただきました。
第一のヒストリーパサージュ(見学コース)でワインの歴史・文化を体感した後、この第二のフィールドパサージュに行き着きます。今ここにある葡萄の木からなる一房の大地の恵み・・・熟成されたワインとなり個々の手に渡るまでの工程を、ディスクローズされたこのパティオから五感を通して感得します。
field=操業・作業が行われている現場
passage=通路・小路

釈迦堂遺跡の北に広がる扇状地の地形を活かした日本におけるグラビティフローシステムの先駆者となり1890年から葡萄酒造醸会社として正式に創業。4代目社長大村春夫氏。「丸藤として一番大事なこと、それは品質、スタッフの心意気、人と人との繋がりを見せること。顧客に正直な商売。」そして「自分の生きざまをワインに移す。」創業130年の歴史の折り返し地点において新たな挑戦が始まりました。

配置計画
「ワインセラーを建てたい。」その要望に我々は提案した。石垣は扇状地からなる勝沼の丘陵台地を耕し続けた先駆者の魂跡。その証としてその景観を取り壊してはならない。主屋は大村家が葡萄酒醸造を繰り広げた歴史そのもの。その表敬としてコンバージョンを行い、さらなる良質なワインと時間と空間へと繋げませんか。夕刻、売店テラスより、葡萄棚が連なる勝沼の盆地が黄金に染まる風景を、楽しめます。紅葉蔵はその邪魔をしないよう、台地の力を借りながら、優しくしとやかにワインボトルを包み込みます。

プレゼンテーション
丸藤葡萄酒工業の130年の歴史をここにまたコンバージョンできるのです。パティオには石畳を敷き込み、第二のフィールドパサージュ(サテライトパサージュ)として位置付けます。パティオのベンチからタンク内の果汁が美酒ワインにゆっくり熟成する工程を眺めることができます。パティオには「甲州葡萄」の棚を造り、葡萄の葉や果実のパーゴラに仕立てます。訪れるお客様に五感を使ってワインと葡萄をゆっくり楽しんでいただけます。秋にはお客様とともに収穫祭もいいですね。

プレゼンテーション
屋上からは、パティオの葡萄棚を上より眺め、夏から秋にかけて甲州葡萄が連なる風情が楽しめます。御当主の畑を通して柏尾山から大菩薩、金峰山まで見据え、いにしえの修験の山の頂から甲州葡萄の歴史を感じます。ギャラリーからは、1階のワイン樽が時間を掛けて静かに熟成している様子を時を忘れて見守ることができます。